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次世代電動化モビリティに向けた高精度ギア部品の技術開発

生活者の価値観変化と次世代モビリティの社会実装

近年、生活者の価値観は大きく変化しています。環境意識の高まり、都市部への人口集中、テクノロジーの進化といった要因が、人々の移動手段の選択にも影響を及ぼしています。こうした変化を受けて、次世代モビリティのあり方も進化を遂げつつあります。
特に、環境負荷の低減は大きな課題の一つです。電動モビリティの普及が進み、カーボンニュートラルの実現を目指す動きが加速しています。また、シェアリングエコノミーの発展により、所有から利用へと移行する流れが顕著になり、カーシェアやライドシェアの利用者が増加しています。
さらに、都市部では自動運転技術を活用した新たな移動サービスが試験導入され、移動の効率化や交通渋滞の緩和が期待されています。一方、地方では過疎化が進む中で、次世代モビリティを活用した公共交通の維持や、高齢者の移動支援の取り組みが求められています。
このように、社会の変化とともに、モビリティのあり方も進化し続けています。今後、技術革新だけでなく、生活者の価値観を踏まえた柔軟なモビリティの設計が、持続可能な社会の実現に向けて重要な鍵となるでしょう。

次世代モビリティの社会実装

これからのモビリティにおけるギア(歯車)部品の重要性

モビリティの進化は、電動化や自動運転技術の発展により、大きな転換期を迎えています。この変化の中で、ギア(歯車)部品は依然として重要な役割を果たしています。特に電動モビリティでは、モーターの動力を効率的に伝達するため、高精度なギアが不可欠です。
また、航空宇宙産業やロボット工学、スマート農業といった分野でも、高性能なギアの需要が高まっています。例えば、航空機のアクチュエータ、産業用ロボットの関節部、農業機械の駆動装置など、多様な用途で使用されています。これらの分野では、小型で高耐久なギアが求められ、冷間鍛造や順送プレスなどの高精度な加工技術が強みとなります。
今後、モビリティのさらなる進化に伴い、より高強度・軽量・静音性に優れたギアの開発が求められるでしょう。技術革新を支えるギア部品の重要性は、今後さらに高まると考えられます。

ギア(歯車)部品の技術開発

ギアの高精度化開発

インボリュートギアの精度等級について
新歯車精度規格(JIS B 1702-1:1998とJIS B 1702-2:1998 )にてN6等級をプレス上がり製品で実現しております。

歯車精度

単一ピッチ誤差   14μm相当
隣接ピッチ誤差15μm相当
累積ピッチ誤差41μm相当
歯形誤差15μm相当
歯筋誤差18μm相当
歯溝の振れ32μm相当

ギアのダレ抑制開発

プレス加工における大きな課題の一つである「ギアダレ」は、製品の耐久性や性能に影響を及ぼす現象です。従来の対策では、生産性を犠牲にして加工速度を落とす必要がありました。
当社では、独自の板鍛造技術を活かし、ギアダレを抑えながらも生産性を維持する技術を開発しました。この技術により、精密な金属成形が可能となり、歯形のシャープさと高い寸法精度を実現。耐久性と品質の向上に貢献します。
また、当社の板鍛造技術は、従来のプレス加工では難しかった複雑な形状の高精度加工にも対応しています。これにより、金属部品の性能向上だけでなく、開発コストの削減や工程の最適化にも寄与します。
今後もプレス加工と板鍛造技術の革新を通じて、高度な金属加工技術の開発を推進し、ものづくりの可能性を広げてまいります。

ギアダレ開発品
従来のプレス
有効長確保のために製品を厚くしなければならなかった
理想の製品
プレスダレを抑えることで製品を薄くできる

開発中のギアダレ報告

板厚約30%の削減が可能

ダレ量比較